死ぬほどPOPに生きていこう

死ぬほどポップに生きていこう

ポップにナンパをするへらへらリーマンの足跡

ついさっきの連れ出し負け

午前1時

 

予想以上に仕事が長引き、疲労困憊した僕は、"愛と勇気だけが友達な街 ミナミ"

に居た。

 

次の日も予定がある僕は女の子には目もくれず、とりあえずドンキに向かった。

 

お目当ては、ウィダープロテインバー。

なんと、コンビニで162円もする高級品が、ドンキだと100円で購入できる。

このライフハックはボディメイクに力を入れている人はぜひ知っておいて欲しい。

コンビニで162円のものが100円で買えるのだ。(大事なことなは2回言うアレ)

 

プラプラ~と中国系観光客に蹂躙された店内を歩いていると、一人の女性が目に入った。

というよりも胸に目がクギ付けになった。

僕はおっぱいソムリエの資格を持っていないので、正確な判断はできないが、推定Gはある。

この言葉が当てはまるか疑問だが、僕の頭には豪傑の二文字が浮かんだ。

なのでこの女性を以下、「豪傑娘」と称する。

 

別に顔がどう、というわけではない。

関係ないけど、モンゴル人って豪傑ッ!!って感じしますよね。

…しませんか。

 

プロテインバーを両手に持ち、豪傑娘に声をかける。

 

僕「こっちのお口の中がパッサパサになるやつか、しっとりしてるけど結局お口の中がパッサパサになるやつ。お姉さんならどっちにします?」

 

豪「結局どっちもパサパサになるんかーい!」

 

ちょっと大幅に盛ったけれども、概ねこのようなノリのいい感じでオープンした。

概ねと大きい胸を掛けた訳ではない事をここで明示しておく。

そんなしょうもないことを、僕が言うと思うのか?

 

服装をイジり、髪型をイジり、ひとしきり和んだ後で何をしていたのかと尋ねる。

 

ブラブラしてただけだよと答える豪傑娘。

 

こんな時間に女性が一人でブラブラ…?

帰る様子もなく…?

と少しの疑問を抱いたものの、バーへと連れ出す。

連れ出し打診も少し抵抗があったがすんなり通ってしまう。

食い付きを感じたわけでもない。

また、違和感を感じる。

しかし、Gカップおっぱいの前では、そんなものは靴の中の石ころ程度のものだった。

気にはなるが、気にしなければそのうち気にならなくなるというあの状態だ。

 

滞りなくバーへinし、色々な話をする。

豪傑娘はよく喋り、人の話をよく聞く素敵な女性だった。

ただ、慣れている感が拭えなかった。

会話の中で得た情報から、夜職の人間であることはわかった。

しかし、仕事についてそれ以上突っ込んだ事を聞いてもいいのか、と躊躇ってしまった。

 

ナンパ師ならば、赤信号を目の前にしても目をつぶってアクセルを踏み込む勇気が必要であるにも関わらず、だ。

 

 

 

何杯目かのグラスが空になり、溶けた氷が小気味のいい音を立てて崩れる。

 

僕「もう、出ようか」

 

豪傑娘「うん。いいお店やったね、また来ようよ」

 

これはIOIととってもいいのか?

違和感が払拭できない。

セールストークに聞こえてしまう。

だから、突き放す意味も込めてこんな言葉で応答する。

 

僕「僕は来る気ないから一人でおいで」

 

豪傑娘「えぇ~…」

 

スネたように口を尖らせる豪傑娘。

 

やはり脈アリなのか?店を出て、手を繋ぐ。

弱い力ながらも握り返してくる。

脈アリと判断していいだろう。

 

僕「もう少し、一緒におりたいなって思うんやけど?」

 

豪傑娘「それは私もやけど、でもそれは飲み友達としてやで?」

 

僕「僕は豪傑娘の事友達としては見てないで。素敵な女性やと思ってる」

 

話しながらホテル街へと足を向ける。

察したのか豪傑娘が話し始める。

 

自分が風俗嬢であること。

自分の中ではセッ久=お金を貰ってするものと考えていること。

僕のことを、お客さんのようには見たくないし、ヤってしまうとそう見ざるを得ない。だからダメなんだということ。

 

それを聞いた僕は、グダ崩しも忘れて純粋に「そんな世界、そんな考え方があるのだ」と感心してしまっていた。

 

感心しながら、セッ久がカネのためだけの行為なら、一体愛はどこから与えられるんだろうか、愛とは何なのかと思春期の様な考え事をしていた。

 

そんな僕を覗き込むようにして「じゃあ、次のお客さんがそろそろ来るみたいやから、もう行くね」と豪傑娘がGカップを揺らしながら素敵な顔で笑う。

 

僕は、豪傑娘と話しているときに100%の笑顔ができていただろうか?

 

答えは、否だろう。

 

だから、せめて、お別れするときはとびっきりの笑顔で。

 

 

「さようなら」

 

 

豪傑娘が去った後、まだ残っている胸の痛み。

その痛みが何かわからないけれど、僕を成長させてくれるモノのはずだ。

 

そう、僕はいずれ、金銭の授受を超越したエロメンになってみせる。